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呼吸器の解剖生理②~肺と肺血管~

前回は、上気道と下気道について書きました。

呼吸器の解剖生理①~上気道と下気道~

今回は呼吸器と言われたら一番に思い浮かぶであろう肺と肺に関連する血管について書きたいと思います。

重要な臓器、血管であるがゆえに結構長丁場となりますので最後までお付き合いください。

肺の外観

肺はそれぞれ、

右肺は上葉-水平裂(小葉間裂)-中葉-斜裂(大葉間裂)-下葉の3葉

左肺は上葉-斜裂(大葉間裂)-下葉の2葉

に分かれている。

また、肺の上部(頭側)を肺尖(はいせん)、肺の下部(横隔膜側)を肺底(はいてい)と呼ぶ。

(図中に書き忘れましたw)

【Fig.1】

ちなみに前面の絵で少し暗くなっている部分があります。

これは後面の下葉の裏側です(表現があっているか不安ですが)

【Fig.2】

縦隔面にある肺門より肺動脈、肺静脈、気管支が左右の肺へ出入口(門)のとなっています。

POINT

左が2葉、右が3葉の学生時代のパパの覚え方

本当は1画で書くけどLは2画だから左肺は2葉、Rは3画だから右肺は3葉と覚えていました。

肺区域と対応する気管支

【Fig.3】

肺区域は、[ pulmonary segment ]のSを使いS1~S10まで分けられます。

左肺はちょっと特殊でS1+2があったり、S7がなかったりします。

そして、S6は前面からは全く見えず、後面からしか見えません

【Fig.4】

各肺区域の名称

右肺左肺
【上葉】

S1:肺尖区

S2:後上葉区

S3:前上葉区

【中葉】

S4:外側中葉区

S5:内側中葉区

【下葉】

S6:上・下葉区

S7:内側肺底区

S8:前肺底区

S9:外側肺底区

S10:後肺底区

【上葉】

S1+2:肺尖後区

S3:前上葉区

S4:上舌区

S5:下舌区

 

 

【下葉】

S6:上・下葉区

S8:前肺底区

S9:外側肺底区

S10:後肺底区

区域気管支

区域気管支は、[ segment bronchs ]のBを使いB1~B10まで分岐します。

肺区域と同様左肺ではB1+2があったり、B7がなかったりと肺区域と区域気管支はそれぞれ対応しています。

【Fig.5】

気管支から区域気管支までの分岐

【Fig.6】

気管から右主気管支、左主気管支に分岐

【右肺】

右主気管支より上葉気管支と中間気管支に分岐

上葉気管支からB1~B3が分岐する。

中間気管支より中葉気管支、下葉気管支に分岐

中葉気管支からB4、B5が分岐する。

下葉気管支からB6~B10が分岐する。

【左肺】

左主気管支より上葉気管支と下葉気管支に分岐

上葉気管支からB1+2、B3~B5が分岐する。

下葉気管支からB6~B10が分岐する。

肺小葉

小葉間結合組織(小葉間中隔または小葉間隔壁とも呼ばれる)で隔てられた区画を肺小葉(2次肺小葉)という。

肺小葉は不規則な三角形をしており、200以上の肺細葉(1次肺小葉)の集まりで、容積は1~2cm3ほどである。

【Fig.7】

肺胞壁の構造

肺胞壁は肺胞内面に肺胞上皮細胞、基底膜、間質から成る。

肺胞壁内には多くの毛細血管が走行している。

肺胞上皮細胞の全肺胞表面積の90%はⅠ型肺胞上皮細胞が占めている。

【Fig.8】

肺胞マクロファージ(肺胞貪食細胞)

単球由来の細胞で肺胞内に多く存在する。肺胞までたどり着いた空気中のチリやホコリを除去(貪食)する働きを持っている。

Ⅰ型肺胞上皮細胞

空気と毛細血管の間でガス交換を行う。

Ⅱ型肺胞上皮細胞

肺サーファクタント(肺胞表面活性物質)を分泌する細胞である。

Kohn孔(肺胞孔)

肺胞中隔にある小さな穴、肺胞と終末気管支を交通するLambert管とともに気道閉塞を起こしても空気の交通を保つ役割がある。

しかし、炎症進展の通路となることもある。

肺サーファクタント(肺胞表面活性物質)

肺胞内では常に組織間液による表面張力が働いておりしぼむ方向に力が働いている。

Ⅱ型肺胞上皮細胞より分泌される肺サーファクタントの界面活性効果で表面張力を弱め、肺胞の形を保つ(虚脱を防ぐ)役割がある。

【Fig.9】

予備知識

肺サーファクタントは、大よそ在胎20週ごろから作り始められるがまだまだ十分な量を分泌できない。

在胎34週ごろになると十分分泌ができるようになり、体外にでも適応できる呼吸機能を有するようになる。

そのため、ドラマや実際の妊婦さんなどで早産のリスク合ってもどうにか34週まではお腹の中にとどめておきたいという場面があったりするがその34週というのはこの肺サーファクタントの分泌が十分できているのが大よそ在胎34週だからです。

だからと言って、母子どちらかに生命の危機のリスクがある場合は、最善の治療方針を立てて出産する場合もありますので絶対に34週を過ぎなきゃダメというわけではありません。

肺実質と肺間質

肺組織は肺実質と肺間質に分けられる

肺実質

ガス交換に関与する部分を指しており、肺胞上皮細胞と肺胞腔がそれにあたる。

肺実質

肺実質の間を埋めている結合組織の部分である。

【Fig.11】

肺血管

肺血管には、肺の機能に関与する『機能血管』と肺自体に栄養や酸素を運搬するための『栄養血管』が走行している。

機能血管:肺動脈・肺静脈

右心室から肺動脈がでて肺につながり、肺から肺静脈がでて左心房へつながる。

右心室から肺へ走行している肺動脈は、二酸化炭素(CO2)が多い静脈血が流れている。

肺から左心房へ走行している肺静脈は、肺で酸素化されて酸素(O2)が多い動脈血が流れている。

肺胞でガス交換を行うために血液を運ぶ役割をするのが機能血管である。

補足説明

「おや?動脈が酸素が多くて、静脈が二酸化炭素が多い血液がながれているのではないの?」と疑問に思った方

ナイス疑問!医療系学生の方や医療スタッフの方ならわかりますよね?

動脈や静脈という名称は心臓を起点として心臓から出ていく血管を『動脈』、心臓に向かう血管を『静脈』とつけられています。

それが例え血管内の血液がCO2の多い静脈血だとしても心臓から出ている血管だから肺動脈、O2が多い動脈血だとしても心臓に向かう血管だから肺静脈という名称になるのです。

肺動脈・肺静脈の走行

肺動脈は、気管支の分岐に沿って毛細血管まで走行する。

気管支と並走する感じ

肺静脈は、小葉間結合組織内を通ったあと、区域間を走行して右心房まで走行する。

【Fig.12】

栄養血管:気管支動脈・気管支静脈

気管支動脈をO2が多い動脈血が流れ、気管支静脈をCO2が多い静脈血が流れている。

気管支動脈で気管支への酸素供給と二酸化炭素の回収を行い気管支静脈によって右心房へ運んでくる。

気管支、肺胞に酸素を運搬し、養っている血管を栄養血管と呼ぶ。

気管支動脈・気管支静脈の走行

気管支動脈・気管支静脈は気管支に並走する形で走行している。

気管支静脈は、主に細気管支の静脈血が還流しており、奇静脈系に流入している。

気管支動脈は、肺胞まで達し栄養を供給している。

肺胞での静脈血のほとんどは気管支静脈ではなく肺静脈へ流入する。

【Fig.13】

 

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