書籍管理と自炊
僕の書籍管理方法と自炊について紹介します。
この記事はで読むことができます。
医療従事者は少なからず知識向上のために自分の業務分野の書籍を購入していると思います。
また、学会に所属すると毎月または年に数回、学会誌が届くと思います。
近年は電子化が進み、PDFで配布されるケースも多くなってきていると思いますがまだ、書籍で届くケースも多くあると思います。
不要と判断して廃棄できる強い心を持っている方であればうまい具合に廃棄してそこまで書籍はたまらないと思います。
しかし、僕のように優柔不断で「高いお金払ってかったのに」とか「何かあったとき使うかも」ってなかなかできないでどんどん書籍がたまっていく方も一定数いると思います。
書籍がたまっていくと今度は本棚を買わないといけなくなり、さらに書籍が増えるとまた本棚を購入とどんどんお金と部屋のスペースが減っていってしまいます。
前説が長くなりましたが、こんな僕の書籍の管理方法と自炊について紹介したいと思います。
僕の書籍管理法
- 書籍のまま管理
- 自炊→データ化して管理
- 一定期間は書籍のまま、その後自炊
僕は、上記のような3つのルールを決めて管理して言います。
それぞれ詳しく説明したいと思いますので参考にしてみてください。
書籍のまま管理
すべての書籍を自炊してデータ化してしまえばよいかというとそうでもなく、書籍のままの方が使いやすいという種類の書籍もあります。
具体的な書籍を上げると、「今日の治療薬」や「略語集」、「学術集会の抄録」これらは自炊せずに書籍のまま管理し新しいものを購入したら廃棄するというルールにしています。
辞書のように探すとう手法の使い方をする書籍に関しては自炊せずに書籍のまま使用した方が使い勝手がいいです。
試したことはないですが高性能なOCRが使える環境であれはこの限りではないです。
自炊→データ化して管理
上記で上げたような書籍以外は基本自炊してデータで管理しています。
目的としてはどこでも勉強できるように持ち運ぶため、自分専用のまとめノートをつくるためにデータ化してGoodnotes6に取り込んでいます。
自分専用のまとめノートの例を示すと、書籍Aの説明はわかりやすいが、図がちょと見づらい・わかりにくい、でも書籍Bにはわかりやすい図が乗っているということが複数の関連書籍を持っているとよくあります。
こういったケースの場合、説明は書籍Aから引用して図は、書籍Bからスクショしてノートに貼り付けるということを行っています。
一定期間は書籍のまま、その後自炊
学会誌や抄録集などは年が変わったら自炊してデータ化しています。
僕みたいに複数の学会に所属していると学会誌だけでも1年間で結構な量になります。
それに加えて抄録集となるとページ数が多いのでスペースも取ってしまうので期間を決めて自炊するようにしています。
(抄録集に関してはよっぽどのことがない限り読み返さないので)
自炊について
先ほどから自炊、自炊と言っていますがわからない人からすると何のこと?となっている人もいるかと思います。
紙媒体の本を裁断しスキャナーで電子化すること
自炊によって書籍をPDFやJPGなどのデータにすることができます。
大抵の人はPDFにしていると思います。
ただし、自炊に関してはいろいろ注意点がありますので後述する「自炊の際の注意点」を必ず読んでいただき、ルールを守ってください。
ここで上げている自炊行為に関しては個人利用でのみ可能な行為です。
絶対に著作権法に違反する行為は行わないでください。
当ブログでは著作権法に違反する行為の斡旋は一切行っておりませんので何かありましても当方では一切責任は取りません。
また、書籍の自炊に関して今後規制がかからないようルールを守って行ってください。
自炊の手順
カッターでページとページの間を切る
裁断機を使用して背表紙を切り落とす
基本PDFで保存して書籍のタイトルをファイル名とする
自炊で必要な道具
- カッター
- カッターマット
- 裁断機
- スキャナー
- パソコン
自炊を個人で行うには、これらの道具が必要になってきます。
それぞれについて用途等詳しく説明していきます。
カッター
用途本のページを分割する
どこのご家庭にも1つはあると思います。
しかし、小さめのカッターだと手が痛くなる可能性があります。
オススメオルファ:エックスハイパシリーズ
滑らないし、L型だとねじロック式なので歯が使用中に出たりしないので安全です。
カッターマット
用途カッターを使用するときに下に敷く
100均に売っているもので全然使えます。
他のものにコストがかかるのでココは安いものでも大丈夫です。
裁断機
用途本を分解する(背表紙の切り落とし)
1ページずつバラバラにするために背表紙を切り落とすために使用します。
カッターでも代用できますがすごく労力を使いますし、多分1冊やるだけで後悔ともうやりたくないっていう気持ちになると思うのでちゃんとしたものを購入した方がいいと思います。
裁断機にも「ディスクカッタータイプ」、「押し切りタイプ」、「大型裁断機タイプ」と種類があります。
タイプ | ディスクカッター | 押し切り | 大型裁断機 |
---|---|---|---|
サイズ | |||
重さ | |||
裁断量 | |||
効率 | |||
価格 | |||
オススメ |
オススメ大型裁断機
価格的には、高価ですが医学書のように分厚い本を裁断するのには丈夫で重いけど安定感のある大型裁断機がオススメです。
僕はDurodexのパーソナル裁断機180DXを使用していますが、念のため100枚ごとカッターで分割してから裁断しています。
替え刃や受け木を定期的に交換しなくてはいけないく継続的なコストはかかりますが、これからずっと自炊をしていくという方は高価でも大型裁断機を持っていた方が作業効率は高いです。
スキャナー
用途裁断した本をスキャンする
スキャナーにも「ADF(自動給紙)スキャナー」、「オーバーヘッドスキャナ」、「コンパクトタイプスキャナ」、「フラットベッド型スキャナ」などの種類があります。
僕自身はADFスキャナーと複合機プリンターしかスキャナーは使用したことがありませんが、ADFスキャナーは自炊にとって必需品だと思います。
オススメADF型スキャナー
僕は、ScanSnap iX1600を使用しています。高価ですがコンパクトでスキャンスピードも速いのでオススメです。
今後継続して自炊を行う人、仕事の資料や子どもの学校からの配布物をスキャンしたいなど使用用途がある方は高価ですが持っていても損じゃないと思います。
パソコン
古いパソコンでなければ自分が使用しているパソコンで構いません。
自炊後の作業と管理
スキャンデータの確認
必ず前ページに目を通します。
スキャン不具合がないか、ページ抜けがないか、ページの順番がおかしくないかを必ず確認します。
もしスキャン不具合があれば再度スキャンします。
PDFの結合・削除ができるソフトをお持ちであれば不具合があった箇所だけスキャンして初めにスキャンしたPDFを編集してページの入れ替えをします。
ページ抜けがあった場合も同様です。
ただし、裁断前の書籍自体にページ抜けがあった場合、もう裁断してしまっているので返品交換不可となるので裁断前に書籍の方のページ抜けや不具合がないかも必ず確認しましょう。
アウトラインの作成
PDFを編集できるソフト(Adobe Acrobat等)で表紙、目次、章、項、索引にアウトラインを作成します。
あまり細分化しすぎると実際使用するときに使いづらかったり、アウトライン作成の作業が苦痛になりますので、自分の状況に合わせてアウトラインを作成します。
デバイスへの取り込みとバックアップの作成
私の場合、iPad、iPhoneで同期しているGoodnotes6に自炊した書籍を取り込んでいます。
また、データの破損、削除などのトラブルに対応できるようにバックアップ(データのコピー)をしておくことをオススメします。
僕の場合、パソコンのHDDと外付けHDDにデータのコピーをバックアップとして取っています。
裁断済み書籍をメルカリへ
裁断した書籍は、メルカリに出品しています。
購入した金額と同程度では売れませんが少しの収入にはなりますのでオススメします。
出品する書籍のジャンルによって即売れする場合もありますし値下げしても売れ残る書籍もあります。
ちなみに自炊後の裁断済み書籍をフリマサイトやオークションで販売する行為は、自分の所有物を売るため違法とはなりませんのでご安心ください。
自炊の際の注意点
著作権に関する注意事項
ここでは僕が自炊をするにあたって僕が調べたことについて書いていきます。誤りがある可能性もありますの最終的には自分で調べて自己責任で自炊を行ってください。
書籍には、著作権というものがあり、自炊行為は著作権法上、複製行為に当たります。
著作権法での複製の定義
「印刷、写真、複写、録音、録画そのほかの方法により有形的に再製することをいう」
(著作権法 第2条第1項第15号)
著作者に著作権がある書籍を裁断しスキャナーで読み込み、電子ファイル化することがこの複製行為に当たります。
著作権法上、複製は著作者のみができる権利となっています。
(著作権法 第21条「著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。」)
しかし、ネットで検索すると僕以上にご丁寧に自炊の方法を書いている方が多くみられますし、裁断・スキャンを代行してくれる業者までもいる現状についてこれから説明したいと思います。
著作権法 第30条に以下のようなことが掲げられています。
「著作権の目的となっている著作物は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲において使用することを目的とするときは、次にあげる場合を除き、その使用する者が複製することができる」
個人利用での複製はできるということで「自分のための勉強に使いたい」という目的での複製、他人に納品提供する目的でない場合のみ著作権法の違反にはならないため、多くの方が自炊を行っています。
では自炊の代行業者サービスはどうでしょう、一見ネットで検索すると多くの業者が出てくるのでこれもOKかと思いきや実は過去に裁判例があるようです。
- 代行業者はこの複製行為(書籍を電子的ファイル化)を営利目的として行っており、個人利用には該当しない。
- スキャンしたデータをダウンロードさせる行為については、著作者の許可なく配布する行為に該当する。
- 使用者(この場合依頼者)自身が複製せず、他人が複製している
上記のことが著作権法 第30条に違反するということで著作権侵害に該当するという判例のようです。
しかし今日現在も自炊代行業者は一掃されず存続している理由については調べました確実は理由は見つからず、著作者の利益に著しい損害を与えていないからではないかなと思います。
自炊代行業者に関する注意点
スキャナーや裁断機を持っていない方にとっては便利な方法かもしれません。
私自身も以前は、自炊代行業者を利用していましたので感想を書きたいと思います。
- 本のサイズ、ページ数によって価格が高くなる
- 納期に時間がかかる(追加料金で納期を速めてくれる)
長ければ1ヶ月以上 - 基本、業者に送った書籍は返ってこない(追加料金で返却してもらえる業者もある)
- 問い合わせに対するレスポンスがあまりよくない
- スキャン精度が納品されるまでわからない
修正事項があった場合さらに納品まで時間がかかる - スキャナーや裁断機がなくても自炊ができる
継続利用する場合、ランニングコストはかかるが初期投資のコストがかからない - 違法性の心配
個人的な感想ですがあまりいいメリットがないですね。
そのことに気づいた僕はスキャナーと裁断機を購入して自分で自炊を行うことにしました。
まとめ
- 私的利用の場合のみ、自炊は可能
- 自分自身で自炊行為を行うとさらに安心
- 自炊代行業者を利用する場合、料金と利用頻度を考慮して自分で道具をそろえて自炊するのと比較した方がいい
- 個人的にはこれからずっと自炊を行うのであれば自分で道具をそろえて行う方が断然お得